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第186話
金髪の方のお兄さんが慎太郎、赤髪の方のお兄さんが拓真と言うらしい。2人はお互いの事を「シン」「タク」と呼んでいる。
慎太郎さんは、あまり売れていないがイラストレーターとして働いているらしい。拓真さんは今大学生で、今日は2人で拓真さんのサークルで使う写真を撮りに来たらしい。
それにしても2人はとても仲がいい。 手を繋いで歩いたり、手に持っていたポップコーンを食べさせたり、まるで恋人...のよう......
......あぁ、そういうことか…
「白雪!!!」
不意に聞きなれた声で呼ばれ、振り返るとそこにはアリスが立っていた。
「アリス!」
「ごめん、もう離さないから」
アリスに強く抱きしめられて、必死に探してくれたんだと痛感した。
もう離れたくない。
「あれ??もしかしてアリス?」
「...人違いですー」
「あ、絶対アリスじゃん!お前いつも俺に冷たくない?!」
「お前と一緒にいるとろくな事が起こらない。 一緒に校長のカツラを釣りに行った時も俺だけが怒られるし、一緒に買い物に行くと自分でナンパした女の子を俺に押し付けて帰るし、いい思い出がない」
学生時代の思い出を話すアリスの顔は死んでいた。
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