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第1話

何でこんなことになったかって? それは俺が聞きたい。 この国では双子が産まれた際、どちらかを悪魔として生贄に捧げる必要があるらしい。国の安寧の為に。 結果、重しをつけて水に沈め、先に上がった方が悪魔だということになった。らしい。 それを知らなかった心優しい片方は、俺を助けようと必死になり、縄は解け、結果、俺は「悪魔」として幽閉が決まった。当初火炙りということに決まっていたが、母や侍女が泣いて止め、情けをかけられ、冷たいコンクリートの塔に幽閉された。 何の魔力も持たない。ただの人間だ。足に付けられた枷が重い。随分な時間が立ったのだろう。真実を知った片方は、青ざめて泣き喚き、自分が「悪魔」だと訴えた。金髪碧眼の片方、ロイは裕福な服を身につけ、心配そうに人目を盗んで会いにきた。 そして、いつも檻の外から見るロイはただただ幸せそうだった。情けをかけられるのが嫌だった。いつまでもメソメソと泣くロイを見るのが。 所謂生贄と言うやつだ。人間の業や欲を一心に背負うものがこの国には必要だった。 平和だが貧しく内乱が絶えないこの国には一斉に糾弾する相手が必要だった。 仕方ない事だ。 朝、全裸で城の前に磔にされる。石を打たれ、昼は固いパンをかじる。王も妃も慣わしに何も言わなかった。夜は体を清めて儀式を行う。 尻をこじ開けられ肉棒を突っ込まれる。 苦痛でしかなかったそれはやがて疼きをうみ、体が変えられていく。 ある夜、片割れがやって来た。だらしなく脚を開き、涎を垂れ流し、身体中傷だらけの姿を見て、端正な顔を歪めた。 「カイル。ごめん。本当にごめん」 こいつはいつも謝ってばかりだ。俺は口角を薄らとあげる 「笑えよ」 「笑わない。絶対にこんな狂った世界ぶっ壊してやる!」 「…そうか」 「うん」 「なぁ、ベタベタで気持ち悪い」 「…ああ。ごめん」 使用人がやるべき事を頼み込んでこいつはやりにきている。体を清め、ガラス細工を扱うように抱きしめる。 「んっ…あぁっ」 「大丈夫?いたい?」 「いや。そうじゃなくて」 奥まで注がれた体液を掻き出す度にズクズクと疼きが熱を持つ。 「んっ…」 「ねぇ。いれて?」 「…だめだよ。それじゃ、他の奴らと一緒だ」 「いいから。それくらい…」 熱を持った視線で見つめるとカイルは困ったように頷いた。 「…ん、ふっ」 内臓まで抉られるような重量感。 「大丈夫?」 真剣な目でこちらを見つめ舌を絡める。 ふっ、力が抜けた瞬間に、更に奥まで熱いものが一気に入ってくる。 「あっ…だめ。もうっ。もうっ」 「動くよ。捕まって」 肉壁が絡みつく。頭が真っ白になってスパークする。 「いい。気持ちいい!!」 絶叫する唇を捉えられ舌が絡みつく。 「カイルを僕のだけにしたい」 ペニスを優しく擦られる。 「いい?ぼくのになる?」 「なる!なる!なりたい!」 「うん、わかった」 カイルは死んだように眠っている。 「ごめんね。カイル。本当は僕がね。悪魔なんだ」 水に沈められた時にロープを切ったのもそう。例年より手荒く扱うように指示したのもそう。でも、どうしても手に入れたかった。 「この屋敷、焼き払うからさ。そうしたら2人で幸せに暮らそう」 赤く燃え朽ち果てる屋敷を後にカイルは天使のように微笑んだ。 END

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