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Ⅱ パンドラの匣⑥ 【完】
この手を
どうか……
握ってくれ。
ひとりにしないで。
「後悔するぞ」
「しない」
メロスといる危険よりも、メロスといない方が後悔だ。
「そうじゃなくって」
凪の蒼が、ふわりと胸をかき撫でた。
「俺は執着深い。お前を……」
離さない。
真の封印の《鍵》は解けた。
手を握る。
引き寄せる。
抱きしめる。
何度も、何度も口づけを交わした。
あれから、何度も………
「ヒィやゥ」
後孔かき混ぜる三本の指が抜かれて、熱い雄が押し当てられた。
俺の蕾がメロスの形に広がっていく。
快楽の深海に飲まれていく意識の中で、俺はメロスの肩にコートをかけた。
夜の帳
ささめき尽きし星たちにも見せたくなかったんだ。
メロスの裸を。
春の朧に吐息が溶ける。
「ありがとな」
―完―
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