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第17話

会場にいる貴族たちは「我こそが!」と意気込み、自分の所持額を確認し始める。 「最初の女の奴隷が目玉商品だと思ったんだけどねぇ」 「そうだな。わしもアレにしか、興味をそそられなかったぞ」 「クライトマン皇帝に札上げられりゃ無理だよなぁ…。あんな額掲示できるの皇帝クラスでもそうそういないぞ」 「まぁ、もうクライトマン皇帝は今日の競りに参加しないだろ。目玉商品、何がくるかな〜」 皆ギラギラとした目でステージに視線を集める。 そうして準備の整ったのを確認した進行役は、ステージの真ん中に立ち、息を吸い込んで商品紹介を始めた。 「次の商品は本日の最後を飾る!超超超目玉商品!!」 進行役の興奮ぶりに、貴族達は前のめりにステージを見る。 「恐縮ですが、 皆様は2年前に滅んだメジエールという国を覚えていらっしゃいますでしょうか? 最後の商品は、 今は亡き国メジエールの、消えたと言われていた第一王子 《シエル=ランベリク》です! 当時12歳ながらに絶世の美女と称され、左目は世にも珍しい翠の瞳、右目は紅色のオッドアイ!さらに、この地域では見ることのできない青みがかった黒髪! 細長い手足と小さく愛らしい顔は男であることを忘れさせてしまうほど! 2度と出回ることのない元王族の血が流れた《シエル=ランベリク》!5000万からのスタートです!」 シエルがステージに出され、スクリーンには 映った。 透き通るような白い肌に、黒く光る手足首の手錠。 美しい瞳の色に、会場全体がガヤガヤと騒めいた。

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