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番外編:貴方に逢えたから31
「こんなふうに触れられたら、同じことを貴方にしたくなります。健吾さん、僕を誘っているんですよね?」
目の端に、健吾さんの空いてる手が映った。僕の躰に触れることなく、まっすぐ下半身に向かって伸ばされる。慌てて手首を掴んで、動きを封じることに成功した。
「敦士、止めるな。俺は確かめたかっただけなんだ」
「何をですか?」
窺う視線で僕を見つめる、健吾さんのまなざし。彼の不安が滲み出ていたので、あえて微笑んでみせた。
「お前が創造主に、変なことをされていないか心配になって。あとは――」
「はい……」
「こうしてお前に触れられるのは俺だけだって、アイツに見せつけてやろうと思った」
「大丈夫ですよ、健吾さん。僕は貴方だけしか見えていないですから。たとえ創造主さまに誘われても、ちゃんと断ることができます」
掴んでいた手首をぱっと放して、健吾さんの下半身に触れた。
「うぅっ!」
腰を引きながら小さく呻いた声を聞いただけで、もっともっと責めたくなる。
昨夜散々、互いを貪り合ったせいもあるだろう。触れた手の中にある健吾さんのモノは、ちょっとだけしかカタチを変えていなかった。
「健吾さんの言うとおりに、今からしちゃいましょうか。創造主さまが妬いてしまうくらいの、熱いコトを」
下半身をまさぐっていると健吾さんの力が抜けるので、簡単にマウントをとることができた。
「んんっ…ヤるのはいいが、時間、は大丈夫なのか?」
時間を気にする健吾さんの言葉で、部屋にある掛け時計に視線を飛ばした。
「あと1時間弱あるんで余裕です。それよりも健吾さんの躰のほうが心配なんですが、大丈夫ですか?」
腰がつって目が覚めたという彼の躰を心配したのに、大丈夫なことを証明するためなのか、下半身を責める手の動きに合わせて、腰をいやらしく上下させた。
「お前が俺を求め続けるのなら、いくらでも提供できる体力くらいはあるからな。遠慮なく愛してくれ」
健吾さんの両腕が首に絡まり、ぐいっと顔に引き寄せられた。
「敦士、愛してる……」
「僕も健吾さんを愛してます。貴方に逢えて幸せです」
胸に溢れる想いを込めて、唇を押しつける。何度もキスを交わしているというのに、健吾さんから与えられるものは、毎回ドキドキしてしまって翻弄されまくりだ。
「敦士…んっ、もっと――」
貴方に逢えて、求められる喜びを知った。愛される幸せを知ることができた。
「健吾さん、大好き」
これからもこうして、貴方を愛し続けていきます。死がふたりを分かつまで――。
お終い
最後まで閲覧、ありがとうございました。
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