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プロローグ
「おはようございます。今日からここに配属されました。小谷亮平 です。よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします!」
きゃっきゃと女子社員達が集まってくる。
「歓迎会しましょーよ!」
「ありがとうございます。」
こんな時はいつもの営業スマイルだ。
実は一つ上の姉のせいか、あまり女性が好きではない。
嫌というほど裏の顔やら、女特有の陰湿さやらを見せつけられてきた。
まぁそのおかげで人を見る目が養われたんだが、、、。
その時、奥のデスクにひとり。
俺はその人から、目をそらせなかった。
その人は、高校生にも見えるその風貌から人を寄せ付けない、凜とした不思議な雰囲気を放っていた。彼の周りの空気だけ浄化されているように、澄んでみえる。
綺麗だ――。
思わずぽつりと呟いた。
「君はあの机を使うといい!向かいの柊君に色々教えてもらいなさい。」
人の良さそうな部長にそう言われ、俺のデスクはその人の向かいになった。
柊 さん、、か、、。
名前まで綺麗な人だと思った。
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