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第2話

 入学して間もなく、たまたまクラスで隣に座ったのが吉田で、目が合うとニコリとされた。 背格好は同じ位。くせ毛なのか寝癖なのか、あらゆる方向に跳ねた髪の毛は、まるでコントに出てくる人のよう。笑うに笑えない。だって、まだしゃべった事もないんだ。 ニコリとされて、どうしていいのか... 一応、愛想笑いだけしておくと、直ぐに前を向いて講師の話に集中した。 * * *  「ねえ、学食ってどっち行く?第二の方が女の子多いらしいね。」 「え?....」 昼になると、急に声を掛けて来るから驚いた。初めて言葉を交わしたのが、学食どっちに行く、とか。オレたち、今日会ったばかりなのに...。 「.....多分第一。別に女の子狙いじゃないし........。」 「あっそう?!.......なら俺も第一行こうっと。」 そういうと、さっさとカバンにノートをしまい込む。 「じゃあ、行こ!」 その言い方は、さも友人を誘うような言い方だった。 - なんなの?.......コイツ。 正直、オレは大学受かって都会に出てきたばかりの田舎者。 こんなに馴れ馴れしいのは、都会馴れしているヤツで、オレの事を軽くみているんだと思った。 「あの、.......別に一人で行けるんで。」 そう言うと、お先にどうぞの意味を込めて、ドアの方に手を向けて促す。 すると、彼がオレの手を取って握り締めてきた。 「は.........?」 なんで握手? 戸惑うオレが固まってしまうと、「デカイ手。いいね、あったかくて心地いいじゃん。」という。 ハッと我に返って、その手を引き抜こうとした。 「あ、ごめんごめん。俺、手フェチなんだよね。どっちかっていうと、小さな手よりデカくてゴツイ感じの方が好き。」 手を離しながら、そんな説明されても、オレはどんなリアクションしたらいいのか。 困りながらも、その場を離れることが出来ず、ただ口元から覗く綺麗な歯だけに目が行った。 そんな事がキッカケで、一年もつるんでいたら、今では互いを親友と思っているオレたち。 - 絆創膏を目にして、今さらこの恋に気づいたオレはどうしたら.........。

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