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第201話
「り、よう」
きっと俺の顔は分かりやすいぐらい真っ青になったのだろう。
立花さんの顔が皮肉に歪む。
「利用しただろう。自分が安眠する為に。――俺の身体を」
「そ。れ、は……」
ただただ、知られてしまって真っ青な俺は上手く言葉が続けられなかった。
「俺に心が無いことぐらい分かっていたが、こうもはっきりと現実を付きつけられると面白くないな」
そのままソファから起き上がると、乱暴にドアを開けて、出て行った。
一度も振り返ることもなく、その背中は俺を拒絶していた。
「あっ……」
俺がはっきり言葉で言わなかったからだ。
でも、だって、立花さんだって俺にはっきり言葉をくれたことは無かったし。
でも、今の俺の沈黙はきっとあの人を傷つけたに違いない。
追いかけなきゃ。
ソファから立ち上がってドアを開けようとすると、丁度ファイルを読みながらドアを開けようとしていた菊池さんとぶつかりそうになった。
「すいませんっ」
「あー。駄目駄目、今、出て行くのは止めときなさい」
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