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第208話
勿論、本気で、あいつらを佐之助と纏めて消してやろうと思った。
そうすれば、少なくても味方は増えないが敵になるかもしれない奴が一人、消えてくれる。
恐怖――。
そんなものを、感じたことなどないが、榛葉の不安を打ち消すにはどうしたらいいか――。
抱き締めて、甘い言葉を囁けば、榛葉は俺だけを信じて誰も信じなくなり、結果的には不安がなくなるかもしれない。
「ちょっと待っていろ」
でも、それが榛葉の恐怖心に打ち勝つ最善なことだろうか。
多分あったはずのモノと、いつも使っているはずのモノ、二つを持って寝室へ戻ると、泣いていた榛葉の顔色が変わった。
俺が用意したのは、ビデオカメラと剃刀だったから。
剃刀の先端のキャップを外すと、榛葉が大きな声を上げて布団の中へ逃げ込んだ。
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