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第6話 瞼のキスは[好き]の合図

俺は保健室に行った。 ー保健室ー 「いやっ!…せん…せい… やだっ‼…フン…ァンッ!」 「うっふふ。君、転校生だよね。Ωがここに来ちゃダメじゃない。 頭の緩い子はほんとに嫌だわ。」 そういいながら須藤のそこを下でくわえ腰を振る。保健医はそっと手を伸ばし須藤のシャツをめくる。 「あら、あなた。妊娠してたの。このお腹の縦筋の傷跡。Ωの男は1度産んだらもう産めないのに残念だわ。あなたの匂いで誘惑するからよ。お陰でオナニーしちゃったわ。」 ガラガラガラ、バァン‼‼ 「おい!須藤!大丈夫か‼」 言葉が先かも分からず俺は保健医を須藤から振り落とした。 「てめぇ、それでも保健医かよ!こいつのことは任せろって言ってたじゃねぇか‼なのに…なのに…。」 俺は須藤を守れなかった。自分の不甲斐なさに涙が落ちる。 くそっ!くそっ! そういって俺は何度も何度も保健医を拳で殴った。 「やめて‼もういいから‼もう大丈夫だから‼」 俺は我を失っていた。 俺は後ろで震えている須藤をギュッと抱き締めた。 「ごめん。ごめん。俺がそばを離れたから。お前がΩだと薄々気付いてたのに…」 「どうして君が、こんな僕なんかと…」 「こんな僕なんかほっとけばよかったのに…」 俺は何故かほっとけなかった。 いつの間にかずっと頭の隅にお前がいた。 「わかんねぇ。わかんねんだけどよ俺はお前の事が気になって仕方がねぇ。 なんでαと嘘ついて編入したのか。お前がここで何をしたいのか。お前の全部を知りたい。」 「ごめんそれは言えない。でもこれだけは言えるよ。」 そうして彼は俺の目を閉じるように言った。 目を閉じた俺の瞼に軽い口づけ。 その意味を俺は知ってる。 須藤が口にせずとも分かるその合図に俺は顔を真っ赤にした。 「助けてくれてありがとう。」 その後須藤は先に部屋からでていった。 それっきり俺が須藤に逢うことは無かった。 ー2年後ー 「眞田君」 呼ばれて振り向くとそこにはあいつがいた。

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