6 / 6
第6話 瞼のキスは[好き]の合図
俺は保健室に行った。
ー保健室ー
「いやっ!…せん…せい…
やだっ‼…フン…ァンッ!」
「うっふふ。君、転校生だよね。Ωがここに来ちゃダメじゃない。
頭の緩い子はほんとに嫌だわ。」
そういいながら須藤のそこを下でくわえ腰を振る。保健医はそっと手を伸ばし須藤のシャツをめくる。
「あら、あなた。妊娠してたの。このお腹の縦筋の傷跡。Ωの男は1度産んだらもう産めないのに残念だわ。あなたの匂いで誘惑するからよ。お陰でオナニーしちゃったわ。」
ガラガラガラ、バァン‼‼
「おい!須藤!大丈夫か‼」
言葉が先かも分からず俺は保健医を須藤から振り落とした。
「てめぇ、それでも保健医かよ!こいつのことは任せろって言ってたじゃねぇか‼なのに…なのに…。」
俺は須藤を守れなかった。自分の不甲斐なさに涙が落ちる。
くそっ!くそっ!
そういって俺は何度も何度も保健医を拳で殴った。
「やめて‼もういいから‼もう大丈夫だから‼」
俺は我を失っていた。
俺は後ろで震えている須藤をギュッと抱き締めた。
「ごめん。ごめん。俺がそばを離れたから。お前がΩだと薄々気付いてたのに…」
「どうして君が、こんな僕なんかと…」
「こんな僕なんかほっとけばよかったのに…」
俺は何故かほっとけなかった。
いつの間にかずっと頭の隅にお前がいた。
「わかんねぇ。わかんねんだけどよ俺はお前の事が気になって仕方がねぇ。
なんでαと嘘ついて編入したのか。お前がここで何をしたいのか。お前の全部を知りたい。」
「ごめんそれは言えない。でもこれだけは言えるよ。」
そうして彼は俺の目を閉じるように言った。
目を閉じた俺の瞼に軽い口づけ。
その意味を俺は知ってる。
須藤が口にせずとも分かるその合図に俺は顔を真っ赤にした。
「助けてくれてありがとう。」
その後須藤は先に部屋からでていった。
それっきり俺が須藤に逢うことは無かった。
ー2年後ー
「眞田君」
呼ばれて振り向くとそこにはあいつがいた。
ともだちにシェアしよう!