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第22話
あ、それなら。
と、ピンと来た。
「ねぇ、じゃあジュエリー1個頼めない?」
身を乗り出して言うと、思いっきりいい笑顔を向けてくる。
「もちろん!すぐに作れるぜ」
「俺のパンの写真撮った奴に、お土産に渡したいんだ。飲み友なんだけど」
あのバカには高い土産になるかもしれないけど、日本の土産屋みたいにクッキーとか木刀とか売ってるわけないし。わざわざどこかで買うってのも怠くなってきたし。それに、天下のIT社長がわざわざ作ったと言ったら大事にするだろう。
「そりゃいいな!そいつがいなけりゃお前と会えなかったんだろ。恩人にとびっきりのやつを作ってやるよ!何にする?」
「んー、ネックレスがいいかな。いつもネックレスつけてんだよ」
「わかった!それから、そいつの詳しいプロフィールを教えてくれ、デザインを考えたいからな」
図工の好きな小学生みたいな顔をしてた。
教えられるほど詳しいプロフィールも知らないから、とりあえず、ちょっと前に童貞卒業したばかりの学生だと言っておいた。
「随分ぶっこんだ情報だな!卒業祝いしないと!」
「あと酒が好きだけど弱い」
「oh……そりゃあ残念だな、こんな美味いのに……」
喜んだり悲しんだり表情が忙しい。あとは適当に知ってる限りを伝えた。
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