215 / 288

Ⅵ【ファウスト】第57.5話 (おまけ+) ⑫

《おまけ+》 - Romantsch(ロマンティッシュ) hört(ホルト) nicht(ニヒトゥ) auf(アウフ). 〔ロマンチックが止まらない〕⑫ - 「ハルオミ…さん……」 『すまなかったね。自分の目で確認したかったものでね。問題なかったよ。沼津港に着港したら、関係各所に書類を提出するよ』 ……あの、いや……そうじゃ…なくて…… 『おや?どうかしたかい?』 俺は、確認してはならぬものを確認してしまった…… ハルオミさんの……………… 『君が気になっているのは、コレかい?』 うぅ~、バレてしまってる~★ ハルオミさん、俺の視線に気づいてたんだ。 恥ずかしいー。 ……こくり 頷く事しかできない。 アレが《トリスタン》だ!! 黒い布地を押し上げているソレ★ ギリギリ布の中に押し留まっているその形が、鮮明に見えてしまっている。 あんなものが、股間に生えているのかッ! 狂暴だ! お尻の割れ目もそうだったが、前のイチモツは更に上をいくエゲツなさだ。 あんなものを、誰が挿れるんだ? 無理だろう。 ……顎、外れるぞ。 狂暴すぎる淫棒じゃないか! あんなの、お尻に挿れたら腰が立たなくなる。 もう挿れてはいけないレベルだ。 到底入るとは思えないが、万が一、挿れてしまったら……人生観、変わってしまう★ 俺……もう雄じゃなくなってしまう。 雄でいる自信がない。 『嬉しいね。君に、そこまで想われるなんて。私は幸せ者だ』 ギャー! 心理を読むんじゃないっ、シュヴァルツ カイザーっ 『私の淫棒で、君の人生を頂くよ』 ギャー!! 「ダメぇぇ~ッ、俺は雄として生きたいんだァァーッ!」 『自覚がないのかい?私のデカマラに釘付けの時点で、君はもう雌なんだよ』 「ちちち、ちがーうッ」 純粋に、おっきいな……と。思って見てただけなんだっ! 『けれど、君。自分が挿れたら……って考えたんだろ?雄には『挿れる』という発想はない。そんな想像しないよ』 「そそっ、それは~♠」 ……なんで俺、挿れたら~……なんて考えてしまったんだろう。 俺が……… ほんとうは……… ハルオミさんの巨根を挿れてみたい……から………… ない! ないないない、ない! 絶対なーい!! 挿れたいなんて、そんな事ーッ そんなのっ。 淫乱な雌のする事じゃないかーッ! 『正解だよ、ナツキ』 「ハルオミ…さんっ」 思考を読んだのか。 『君はもう、ゲイなんだよ。男性器に興奮するのは普通だよ。欲しがるのは、雌の本能だね。 モラルのあるセックスなんて存在しないよ。セックスは動物的な本能なんだ。君は、淫乱な巨根好きの雌の本能に目覚めたんだよ』 「……俺、雌…なのか?」 『そうだよ』 俺を見つめるモニターの中のサファイアを、すっと細めた。 『外見は男性器を有しているが、ナツキのソレは、雄を興奮させるために膨らむ雌しべだよ。……触ってごらん』 半勃ちになっている。 着衣の下のソレ…… 『君に雄しべは付いていない』 ソレは雌しべだ。 『だから、君は雄しべを欲しがるんだよ』 ……俺の、ドクドクしてる。 アソコが雄しべを欲しがってる。 どうしようっ。 ハルオミさんが見てる。 「ナツキ?」 ……ユキト 「統帥……」 アキヒトっ ユキトだって、アキヒトだって見ているのに。 手が…… 自慰する手が、止められない。 アァっ! ダメなのにっ………気持ちイイっ! 『……私もだよ』 ハルオミ…さんっ……… 『気持ちイイよ……ァア、君がエロいから、私の手が止まらないよっ』 ハルオミさんが……パンツの中のイチモツを慰めている。 大きな右手がさすって、撫でて、揉んで、小さな黒い布地の下でアソコが揺れている。 布に吸い付くような性器の形が、くっきり見える。 やらしい手付きが、雄の性器を暴君に変えていく。 『手を止めてはいけないよ。私達の《トリスタン》を臨界まで高めるんだよ』 やめなきゃッ だけど…… モニターの股間から目を離せない。 お股にそびえる布地の中の、黒の暴君の命令に右手が逆らえない。 『いい子だね。君も、君の右手も、君の《リトル・トリスタン》も。従順で淫らないい子だよ。……ア』 「ハルオミ…さんっ」 ドクン 俺の昂りが手の中で跳ねる。 ハルオミさんが、熱っぽい吐息で喉を鳴らす。 大きくなっている。 ハルオミさんの雄…… ほんとうに、はみ出てしまう。 黒い布地の外に。 「!!」 どうしよう。 大きくなっているのは確実だ。 中から布地を押し上げているせいで、ゴムのところ…… 元々ギリギリの面積なのに。 パンツが縮んだように見えている。 (あれ、もしかして★) ……陰毛だ。 ハルオミさんの毛が……下腹部の更にその下、ゴムの上からっ。 黒い茂みの生え際がのぞいている。 教えてあげないと! 生え際だから、まだ本体は見えていない。いま言えば間に合う。 「ハルオミさんっ」 『続けるんだよ』 「でもっ」 『アア、《トリスタン》がガチガチだ。君に照準を合わせてきたよ。君のは、どうだい?』 「俺のも熱い~」 やめなきゃいけないのに、ハルオミさんがやらしい手を止めてくれない。 俺の手も止められない。 『天を仰ぐ私の暴君が外に出たがっている。君も外へ出すかい?』 「えっ」 『それとも、もうお漏らししちゃったかな?』 「まだっ」 『疑わしいね』 「本当だ!」 『じゃあ、ジッパーを下ろして取り出してみようか』 ……自分で、出すのか? 恥ずかしいコレを、見せるのか…… 『私も脱ごうかな』 「脱ぐって?」 ハルオミさんの肌を覆うのは、股間の小さな布だけだ。 『もちろんパンツを、だよ』 このままじゃ、キツいのは明白だ。小さな布地が破れそうなくらい、中のアレが上を向いて暴れている。 脱いじゃうんだ……パンツ…… 「あっ」 声を上げたのは、俺じゃない。 俺の隣 ユキトがモニターを凝視する目を、ハッと見開いた。 「兄上!白ブリーフじゃなかったんですかッ!」 『「白ブリーフ」』~ッ!! 俺とハルオミさんの手が、同時に止まった。 ユ~キ~ト~ッ このタイミングで言うかーッ! 『……白ブリーフ…って……なんのことだい?』 股間を握ったまま、ハルオミさんの手が固まっている♠ 俺も……だけど~♠ 白ブリーフ!! なんて恐ろしい悪魔なんだ!! 〈切なさは(フー)止まらない〉

ともだちにシェアしよう!