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第2話
諦めていた
もう一生、人間として生きることはないと
毎日誰かの所有物になる
と
思ったのに
突然ドアがぶち破れて
「おっと、みなさん、ずいぶんと趣味が悪いようで」
不敵な笑みを浮かべている
変な男が現れた
そして真っ先に
「さあ、檻から出るか、残るか、どっちがいい?」
と、表情を変えずに聞いた
もうどうだっていいから
ついていくのも悪くないかな
差し伸べられた手に触れてみた
「それでは後はよろしく」
軽々と持ち上げられてしまった
出る時に聞いたのは
銃声だった
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