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第37話
(え……なに、これ……)
下の方の違和感に身体が強張る。その変化を感じ取った先生が、顔を覗き込んできた。
「心?なんか身体強張ってる。また体調悪い?」
「あ……えと」
(ど、どうしよう……身体、熱い……)
自分の中心に熱が集まっているのを感じて、頭がパニック状態になってる。先生にどう返事して良いのかさえ考えられない。
(こ、これって……え、えっちなことするときに起きる現象だよね?……何で?どうしよ……どうしよ……っ)
「心?」
「ひゃっ」
心配してくれた先生が布団を退けた。その時に思わずあの場所をかばってしまったのが悪かった。俺の手の動きにつられて先生もそこを見る。見られれば、バレてしまうのも当然で。
「あ、や、ち、違くて……ぁ……うっ……ひっ」
もう恥ずかしいやら、情けないやら。自分が悪いことをしてしまっているように感じて、罪悪感に涙が溢れて止まらない。
そんな俺に先生は気まずそうな声を出す。
「あーっと……ごめん、気効かなくて。風呂かトイレ使って良いから、行っておいで」
「お、ふろ……トイレ?」
「……抜かなきゃ治んないだろ?」
「……?」
(ぬ、く……?)
先生の言う意味が分からないし、この先の対処法も分からない。自分の意に反する身体も怖いし、先生に呆れられるのも怖い。
「ご、ごめんなさ……ごめんなさいっ……俺、分かんな……」
泣きながら謝り通せば、先生は俺を起こして背中をさすってくれた。
「心、大丈夫だから。落ち着いて」
「うっ……ひっくっ……っ」
「……おいで、心」
背中にあった手に腕を引っ張られ、ポスっと先生の胸に身体が収まった。
身体が熱いせいで、いつもより余計に先生の手が冷たく感じた。
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