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あいつ(Side彼方)
授業が終わってすぐに体育館裏に向かう。そこにいたのは可愛いらしい女の子で安心した。
歩叶君達には席を外してもらい返事しようと思ったその時…
「あ、あの…彼方君を連れてきたので遥夏 を返してください!」
「え?何…どういうこと…」
突然に杉咲さんが叫び出し泣き崩れた。杉咲さんの視線は僕にでは無く僕の後ろの男に送っていたのだ。その男は一人の女の子の喉元にナイフを当てて不気味なまでな笑顔を作っていた。女の子の髪は乱れワイシャツの前のボタンが引きちぎれていてとても見れる用な姿では無かった。
「彼方君!会いたかったよ!」
そう言うと男は女の子の頬にナイフを思いっきり当て、血を流した。共に足が震えて膝から落ちる。意識が朦朧として頭の中に不気味な笑い声と女の子の悲鳴が鳴り響く。そこで僕の意識は消えた。
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