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突然の異変
数日後。
一階の戸締まりを終えて、アルフリートは小さく溜め息をついた。
「どうしたものかなぁ…」
来月誕生日を迎えるアレクにどんなプレゼントが欲しいか尋ねたところ、なんとも微笑ましい要望のメモを手渡されたのだ。
「リィと、かぞくになりたい」
「おとうとといもうとがほしい」…と。
確かに、男子も番(つがい)の関係になれば懐妊が出来なくはない。
確率が物凄く低い、が…。
アルフリート自身もアレクが可愛くて仕方ないし、リカルドに対しても愛情を抱いてもいる。
でも。
『ぼくが良くても、リカルドには選ぶ権利がある…。
それに…。
ぼくが彼と番になったとして、……アーシャは?
アーシャの気持ちは?皆の気持ちは…?』
産後間もなくアンブローシャが亡くなった時の家族の嘆きを、アルフリートは鮮明に覚えている。
太陽のような存在を喪い、深く嘆き、憔悴しきっていた。
それほどまでに愛された彼女の位置に立つなど、皆が許すだろうか…。
「ぼくの気持ちだけではダメなんだ…」
自分がどう想われているか気づいていないアルフリートにとって、この状況は悩ましいものであった。
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