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、
ガチャ
緑川が戻ってきた
こんな泣いてる顔を見られたくない
ふいっと顔を逸らす
「………泣いてんの?何、痛かった?」
下を向くと、涙が布団を濡らした
「泣いてない………」
こんなの痛くない
さっき、俺に向けられた冷たい視線が、頭から離れなくて……
「碧………」
優しい声
余計に泣けてくる
「なんで、泣いてるの?
そんなにおもちゃが嫌だった?」
「…………」
「碧?」
「……お前が冷たいからだろ」
「俺が冷たかったから泣いてたの?」
「うるせーな。悪いか!」
おかしいだろ?
俺だっておかしいって思ってるよ
「おいで」
俺を呼ぶ
犬じゃねーし
「行くか!」
「しょーがねーな」
「……」
緑川はベットまで来て俺をそっと抱きしめた
もー。なんなの、コレ
抱きしめられて安心するとか………
俺、頭おかしい
くそ………
涙が止まらない
頭、撫でるなよ
………そんなに優しく抱きしめないで
「碧、キスしよう」
「………」
緑川は涙に濡れた頬を拭いながら、キスをしてきた
何度も何度も………
キス、気持ちいい…………
あ………
いつの間にか緑川の機嫌、直ってる………
頬にキスしてから優しく見つめられたら、居心地悪い…………
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