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「飯できてるよ。一緒に食お」 そういえば、帰ってきた時、いい匂いしてた リビングには二人分準備されてた 「お前、食べてないの?」 「うん。腹減った」 時計を見ると11時を過ぎてる 俺が寝てる間に食べてもいいのに…… 俺が起きるまで、待っててくれたのか…… 今日のメニューは サンマの蒲焼き、豚汁、野菜炒め、だし巻き卵 ゴクリ…… う、うまそう…… 「あのさ。毎日のように飯食わしてもらってるし、俺も食費出すよ」 「ぶっ、ははっ。碧………お前…… 脅されて無理やりやられてるのに、何言ってんの!真面目だな〜」 「………」 「別に気にしなくていいけど……… 今度、ビールとかで返して。 あとは食べたいものあれば、食材買ってきてくれてもいいよ」 「………わかった」 環の飯は、やっぱり美味かった 「なぁ。碧」 「何?」 「雪村と会う時、着いてってやろーか?」 「いらん!余計ややこしくなるだろ」 帰ろうとしたけど、環は帰らしてくれなくて、 そのまま、泊まることにした 今日は同じ失敗はしない ちゃんと家に戻って着替えられる時間に アラームをセットした 「さー!イチャイチャしながら寝よう」 待て。意味わからん! 「おいで。碧」 ベットから手招きする ベットに行くとぎゅっと抱きしめられた オレンジの香りがする すっかり慣れた環のボディソープの匂い ただ抱きしめるだけ お互いの心臓の音が聞こえる こいつのこの扱いはなんなんだ ………………まるで、恋人にするみたいな 「碧。よしよし」 頭をナデナデされた …………突っ込んだら、負けだ 恋人じゃないな ペット?ペット扱いか…… 頬を撫でられて見上げると、環は優しそうに笑った 「なんだよ?」 「別に」 別に笑顔に見とれてたわけじゃない…… 環の手が優しいな、って思っただけ…………

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