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「…………」 「………………お」 ……何、うるさい 寝かせて 「碧!」 ハッ 一気に覚醒する 「全然、起きないから心配した」 環は俺の肩を掴んでいた 「そ、そう……ごめん」 無理やり言わされた言葉だけど、思い出して目が合わせられない 「お前、大丈夫?会社行ける?」 「……平気」 「ギリギリまで寝かせたから時間ないんだ。 朝食は車でサンドイッチな」 ベッドから降りて立ち上がろうとしたら、体中の力が抜けて膝をついて倒れこんだ 何だ。コレ。 足に全然、力が入らない 「おい!大丈夫かよ。……会社休んだら?」 「今日はプレゼンの打ち合わせとか、山程、仕事があるんだ。肩貸してくれ」 「本当に休めないのか」 「無理」 「無茶して、ごめん……」 「……」 ヨロヨロしながら環のスーツを借りた 意識がボーッとする 環は心配そうに俺を見てた 足に力が入らなくて階段が上手く降りられない 見かねた環がおんぶしてくれた 「自分で」 「いいから黙ってろ」 車に乗ったらすぐに眠くなってしまった 「碧。飯は?」 「ごめん……眠い……」 「分かった。着くまで寝てろ」 少し寝たから回復する訳でもなく、体が鉛のように重いまま、会社のエレベーターに乗り込んだ 「無茶するなよ……」 思い体を引きずるように長い廊下を進んだ

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