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ジュージューパチパチ 音がする いい匂い………… ムクッと起きて、時計を見ると8時だった ドアを開けるとすぐに環は気付いた 「碧!大丈夫だった?体調は?」 「少しダルいけど、もう平気」 「飯は食べれそう? 一応、消化に良さそうなの、作ったけど」 「ハラ減った」 「それなら良かった」 本日のメニューは肉じゃが、湯豆腐、ナスの揚げびたし、切り干し大根 「う、旨そう…… お前、料理学校にでも行ってたの?」 「あー俺。両親とも、仕事人間でほとんど、ばぁちゃんに育てられたんだ。 食事は叩きこまれたね。 でも、作れるのは和食だけ。 5人男兄弟なんだけど、ばぁちゃん、亡くなってからは、ほとんど子供だけで一日を過ごして 喧嘩ばっかりしてたな」 懐かしそうに話す 「そうだったんだ………… 5人男……だから口が悪いのか」 「まぁ。コミュニケーションは基本、喧嘩だよな。欲しいものは何がなんでも手に入れないと、誰も助けてくれないし、飯にもありつけなかった」 ふふっと環が楽しそうに笑う 「環は何番目なの?」 「末っ子」 「末っ子っぽい(笑)」 「可愛くて甘え上手な感じか?」 「ばーか」 きっと色々、苦労したんだろう 子供だけで食事も家事も大変だったに違いない こんなに楽しそうに話すって事は兄弟とは仲いいのかな なんとなくだけど環の性格のルーツが、そこにある気がした 環のドS、ワガママ、強引さと、 相反する優しさや思いやり、世話好きなところ そんな事を考えながら、旨すぎる夕飯を一緒に食べた

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