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「ハイ。緑川、資料」 「どうも………」 「こっちが代案で………」 「如月。髪はねてるよ」 無意識に前髪に触れた 「え?マジで?恥ずかしーな」 なんて言いながら如月は照れ笑い …………やば 照れてる顔、すげー可愛い………… …………好きな男はストレート 間違いなく、男は恋愛対象外 無防備に向けられる笑顔に柄にもなく胸が高鳴ったりして…… でも、こういうのも悪くない 如月が笑う度にドキドキ、ソワソワ………… 今、告白しても振られるのは目に見えてる だけど、心配事が一つ 「如月!」 「何?雪村」 「ありがとう。コレ……貸してくれてたDVD」 「おー。どうだった?」 「最後の20分間がすごかったな」 「だろ?」 雪村は俺達と同い年で如月の同期 同じ部署では一番仲が良さそうに見えた でも、問題はそこじゃない 多分、雪村は如月が好きだ 恋愛対象として………… もし、雪村の気持ちに気が付いたら…………? 情に厚い性格で一番仲のいい奴から告白されてみろ 気にしない訳がない もしかしたら、気の迷いで付き合い始めたりとか、無いとは言い切れない そんな時だった 食堂で思わぬ話を聞いてしまう 「雪村は好きな子いないの? 隣の部署で雪村の事、好きな子がいるらしいよ」 「ずっと好きな人いる」 「へぇ~告白しないの?」 「週末に飲みに誘って乗ってくれたら、告白する」 …………なんだと? 告白…………?

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