「で？ハッキリ断ったの？」 「いや。考えて欲しいから返事はゆっくりって言われて」 「はぁ！？」 その場で断らなかったのか………… 「お前、気を持たせてどうするんだよ。 それとも本当に雪村と付き合うつもりか！？」 「そ、それは」 即答せず戸惑う碧にイライラする 「お前は八方美人すぎる！」 「俺が誰と何したって、お前には関係ないだろ！ なんで……そんな事言われなきゃ……」 ムッとして言い返してきた そうだよな。俺達は他人だ 俺がお前を脅して無理矢理、関係を迫ってる 誰と何したって口出しできる間柄じゃない だけど…… 「…………あるよ。 お前、俺のものだろ……？」 雪村と付き合いたい、 そう言うつもりか…………？ 激しい怒りに支配されそうになる 碧は俺のものじゃない そんなの、分かってる！ 「ベルトして」 そう言ってエンジンをかける 「碧、今夜は覚悟しろよ」 運転中もイライラは収まらない ラブホテルに車を回した 「男同士で入れねーから！」 「うるせー」 碧が慌てて言うけど、聞いてやるもんか 「家で大声出すと通報されるからな。 今日は手加減してやらないよ？」 碧が困った顔してても今日は優しい気持ちになんて一つもならない 「黙って着いて来い。ここで騒ぐとさらし者になるぞ」 ここは無人の受付だけど、エレベーターですれ違う人とたまたま鉢合わせた 男同士の俺達にギョッとしてる男女のカップル 他人なんて、どーでもいい 嫌がる碧を無理やり引っ張ってエレベーターに乗り込んだ