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有頂天
ココside
またハルの手を拒んでしまった。
というより、ビクッとしてしまって手を引っ込められてしまった。
今の感じ悪かったよね…?
せっかく遊園地に誘ってくれていい雰囲気だったのに…。
そんな事より!!!
「ど、ど、どうしようっ!デートだ…っ」
遊びに行こう、だけしか言われてないけど、オレにとってはこんなのデートと同じだ
デートというのは、誰かに時間と場所を打ち合わせて会うことだって聞いたことがある。
けれど、言葉しか聞いたことなくて、1度も行ったことがない。
気になる女の子とどこかへ行くのもデートに入るってことも誰かが言ってたから、きっとハルと出かけるのもデートに入ると思う。
だって、ハルのことすごく気になるから。
ハルの手は温かくて優しいからまた撫でて欲しいし、色々おしゃべりしたい。
もしかすると遊園地へ行けば打ち解けられるかな?
そう思うと、嬉しすぎてソワソワして落ち着かなくなってくる。
ウズウズして思わずクッションを抱きしめてカーペットを転げ回る。
「うへへっ、ふふっ」
今のオレの顔はとんでもないくらいブサイクだと思う。
自然と口角が上がって、笑いが込み上げる。
「明後日楽しみだなぁ〜」
遊園地って言ってたけど、どこに連れて行ってくれるんだろう?
「ふふふ、ふひっにへへっ!」
オレは床を転げ回り、にやにやしながら甘美な妄想にふけった。
何だかとてもくすぐったいような気持ちだった。
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