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プロローグ

「拾え」 傲慢極まりない声が食堂に響いた。 周りの生徒たちは静まり返り皆がそちらへと視線を向ける。 床に落とされた料理。 皿は割れ食べかけの料理は散乱していた。 慌てて食堂の給仕係がやってくるが、 「こいつが拾うからいい」 と薄笑いを浮かべ向こうへ行けと手を振る。 「ほら、早くしろ。副会長……さま?」 にやり、と笑う男に命じられた男は黙って膝をつき片づけをはじめた。 *** 「相変わらずだなー、すっげぇ険悪」 「会長ってマジ副会長のこと嫌いなんだな」 「それは復讐しにきたんだから」 「あの噂本当なわけ?」 「本当らしいよ。小さい頃に会長だけ養子に出されてさ。捨てられたって感じだって」 「それで復讐ね。いやでもすごいよな。養子先の家の会社いまや副会長んちの会社を子会社化しちゃってるし。そのうえ会長転校してきてから全部副会長の上行ってるし」 「確かに。でもそれだけのカリスマ性あるよ、会長は。転校してきたの6カ月前だろ? それであっという間に会長までなっちゃうんだからすごいよ」 「そうだなぁ。副会長のこと抜きにすれば頼りがいも指導力もあるし」 「いやでも副会長だってカリスマ性あっただろ。会長が転校してこなかったから今生徒会長だったのはあのひとだっただろー」 「そういやそうだけど」 「でもなぁ。もう副会長は会長の下僕ってかんじだしさ。成績だってもうずっと二番だしさ」 「昔は王子様ーってもてはやされてたのにな」 「いまでも王子様派もいるだろ?」 「いるだろうけど、ほら会長の目もあるしさ」 「そういえば、前ほら。風紀委員長が副会長のこと好きだったろ」 「ああ」 「あ! それ俺知ってる。あれだろ風紀委員長が会長に堕ちたって」 「でもセフレ扱いだろ」 「まー会長相当遊んでるみたいだもんな」 「いーなー。俺もあの人だったら」 「ばーか。お前なんて相手にされないって」 「ていうかさ、副会長も会長にヤられてたり、とかないのかな?」 「……お前、バカ?」 「バカだろ」 「え、なんでだよ!」 「なんでって」 「お前、あの二人」 ―――双子だろ。

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