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Ⅲ章 絶体絶命!窮鼠猫に噛まれる④

あろう事か! 俺の唇は、実の子に奪われてしまった。 子供の成長は早い。 神の子ともなれば尚更だ。 この子は、ナギと俺の子だ。 「雄でα、名前はヒルコ」 そっか、いい名前つけて貰ったな。 父上に ……ナギはどうしてるんだろう。 我が子の髪をそっと撫でる。 栗色の髪、ふわふわでナギ似だな。瞳の色は蒼で、俺に似たのだろうか。 あれ? でも、なんで? 俺、見上げてるんだ? ヒィは子供で年下でっ 俺より小さくて、背が低いのにっ 「ナミっ」 ぎゅうぅ~ 息止まるッ 抱きしめているのはウイだ。 「死ぬ~ッ」 「ごめん!ナミが可愛くて、つい」 「絞め殺す気か!」 ……って、なんで? ウイを見上げてるんだ? 「ナミちっちゃい♪ちっちゃいナミも俺好み♪」 ………は? 遂に脳ミソ腐ったか。 つか、なんで目うるうるのウイを俺は見上げてるんだ。 「気安く母上に触るなッ」 ぎゅっ 今度はヒィに抱きしめられる。 子供なのに力強い。 ………ヒィは子供 子供、だよな? 「母上は俺が育てる!」 「はい~?」 ヒィ、お前は子供だろ! 「このために覚えた神通力で、俺と母上の年齢を入れ替えたんだ。 母上を理想のΩに育てて、俺と母上で葦原中国の国産みをするんだからな!」 「はいィィィ~?!」 ……俺の年齢は、息子のヒィと入れ替わってしまった。 しかもっ 国産みを息子とするって、どういう事だァァー!!

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