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『佑真も見て~、可愛くない?』
呼ばれて仕方なく傍に行く。
ホントは・・・見たくない。
何でなのかは分からないけど・・・
蓮が女の子を見て
「可愛い」とか、
「超タイプ!」とか
聞くのがイヤなんだ・・・。
それでも、そんな顔は おくびにも出さず
蓮の隣に座って・・・
『ホントだ~、可愛いね。』
なんて言ってみたりする。
きっかけは・・・・、そう。
蓮が、1年生の女の子に告白された事。
顔がタイプじゃなかったから、って
速攻で断ってきた蓮にホッとして・・・
───じゃあ、タイプの子に告白されたら・・・
蓮が、女の子とつきあう所を想像して
急に・・・・怖くなった。
この気持ちは、なんだろう。
なんで蓮が女の子とつきあうのが
怖いんだろう・・・
それは
蓮と一緒にいる時間が減るのがイヤなのか
蓮が誰かのモノになってしまうのが
イヤなのか・・・
分からなくて。
結構、悩んだ。
でも・・・・・・
それから蓮は、誰にもコクられる事なく
平穏な日々が続いて
俺も深く考える事は少なくなっていた。
そんな時。
『ねー、佑真はさ~。キスしたいって
思った事、ある?』
って蓮に聞かれた。
『え、ぇえー?どうかなぁ。』
『俺はさ~!学校でさ!放課後にさ!
夕陽をバックに教室で~!なんてさ!
超 憧れる~!なぁ?超いいと思わない~!?』
『・・・・・・・・・あ・・・うん・・・いいね!』
顔がキラキラしてる。
楽しくてしょうがないって顔。
でもさ、
シチュエーションより 何より
俺が気になるのは・・・・
それ、誰とすんの?
───って事。
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