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☆2

圭は、俺とは違う高校に通っている。 お店を手伝いたいから、と とにかく家から近い所を 選んだらしい。 部活も入らず、学校が終わったら すぐに帰るため、そんなに親しい 友達はいないんだって仲良くなって わりと すぐに話してくれた。 今は、販売のお手伝いしか してないけど、休みの日は パン作りの練習もしてるらしい。 いいなぁ。 自分で作る、って発想は 俺には なかったなぁ。 いや、でも作らないけど。 パン作りって手間と時間かかるって イメージあるし だからこそ 美味しいパン屋を探してたワケだし。 『大和くんってさ。』 『・・・・ん、んん?』 しまった。 せっかく圭といるのに ボケーっと あれこれ考えてた・・・。 『休みの日は何してるの?』 『うん?休み?えーと、そうだな・・・ 孝之介と遊んだり、パン屋巡りしたり、とか?』 『ふぅん・・・そっかぁ・・・。』 ん? あれ? なんか・・・寂しそう? 『け、圭は?何してるの?』 『うーん。僕は・・・家でボーッとしてるかなぁ。』 『え?でも、パン作ったりしてるんだろ? すごいよなー。』 『うん・・・・』 『いいなぁ。見てみた・・・』 言いかけて ハッと口を閉じる。 いかん、いかん。 それでなくても毎日のように 通ってきてるのに・・・・ 休みの日まで押し掛けるとか! すっげー、イタいヤツじゃん、俺! ダメダメ!

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