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第28話

「結構手癖も悪いのな」 ポケットに忍ばせた端末をいじりながら、統久は地図で逃走経路を確認している。 「まあ、それなりに昔はヤンチャもしたしな。アンタも収容所入るくらいのワルだったなら、そういうの分かるだろ」 シェンは、傷口がしっかりおさえられているのを確認すると、シューズの紐をしっかりと締める。 「俺は良いとこのお坊ちゃまだからな。収容所も、性犯罪の方だし、お前みたいな肝の座り方はしてないよ」 「お坊ちゃまが自分でそういうかな」 肩を聳やかせて、不審がるように相手を見返すと手に渡されたケースに視線を落とす。 「とりあえず、粒子爆弾。危険を察知したら逃げろ。命を最優先で」 告げた言葉には嘘はないようで、外の状況を確認したのか窓から飛び降りろと視線を向ける。 「すいません、ルームサービスです」 外から響く声と同時にシェンが外へと飛び出すと、マシンガンが部屋の扉を蜂の巣にして、黒服の男たちがなだれ込んでくる。 「クソっ、逃げられたか」 「お前らの相手はとりあえず俺でいいよな」 ニヤリと統久は笑うと手にしていた手榴弾を投げつけマシンガンを奪うと、入ってきた男達が爆発と炎に巻かれるのをマシンガンを撃ちまくりながら次々に撃ち倒して逆走する。 「中隊長さん、大丈夫か?」 爆炎の音に振り返り走り出すが、統久はついてはこないようだ。 なにやってんだ。 『シェン、さっさと行け。こっちは俺が潰しておく』 腕の通信機を使っているようで、まだ余裕があるようだ。 「ありがてえこった」 シェンは、宇宙港へ向かって走り出した。 港までつけば、運送会社の迎えがきているてはずなのだ。 ここで戻ればきっと、さらに深い場所が開ける。あと、3ヶ月でなんとかしてやるからな。 シェンは勢いをつけて駆け抜けた。

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