"暑い … お母さん 、 暑いよ、苦しいよ、離して ねぇ、お母さん、聞いてる？重いよ…" 小さいからだ の 綾人は母親の腕の中から抜け出すと、車が所々凹んでいる 。何があったのか、そんなの 小さな 頭で考えることなどできずに小さくｷｮﾛｷｮﾛと見回す運転席の方に目をやると、正面のフロントガラスが無い様な状態だった。" お父さん！お父さん！お父さん！ " 小さい頭でもわかったのだろう。 運転席に居る筈の父親に声を掛けようとするが恐怖のあまりに声が出ない。 ﾋﾟ-ﾎﾟ-ﾋﾟ-ﾎﾟ ... サイレンが聞こえる。 救急車 、 消防車 、 パトカー。 お父さんに教えて貰ったサイレンの音だ。 助けて…助けて…助けて…！ 「中に人が3名！」 「…ｺ … ｺ … 」 「子供の方は意識あり！」 確認されれば、綾人は救出された。 ふっと、一息吸って吐けば、 車の方を見ると、大型トラックと車が正面衝突していて、無残な状態だった。 "お … ｶｧ ....さﾝ…ｵ ...ﾄｳ ...さ...ﾝ" 「あ...あぁ....ｳﾜｧｧｧﾝ！！！！」 泣き叫ぶことしか出来ない。 泣くことしか… －－3/14－－ 買い物中の親子3名が乗った乗用車に大型トラックが居眠り運転をして正面衝突する事件が発生しました。 この事故で 乗用車にのった2名が死亡、1名は軽症。 トラックの運転手は軽症。