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「おはようございます会長!」
「冬廣先輩~! おはようございます!」
学校へつくと、校門に入った瞬間からたくさんの生徒たちの視線が集まってきた。すれ違う人みんなから挨拶をされて、波折はにこやかに手をふりながらそれを返している。なんだか、テレビとかでみる、王子様が国を回って国民に手を振っている構図に見えて仕方がない。
「あ、もしかして……噂の、一年生の副会長? おはよう~!」
「一緒に登校か! 仲いいんだな、生徒会!」
自分にも注目が集まりつつあることに気付き、沙良は顔を赤らめた。この学校で副会長になれば有名になるのはわかりきっていたことだが、波折とセットにみられることがなんだかこそばゆく感じたのだ。この、学校の王子様と隣り合って登校すること。思った以上にすごいことなのだと……そう、実感したのだった。
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