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夜になる頃には、波折の身体は色々な液体でどろどろになっていた。波折はイッてもイッてもセックスを続けたがった。気持ちよすぎて動けなくなって、揺さぶられることしかできなくなっても、それでもまだ抱かれたがる。とにかくめちゃくちゃにされるのがイイらしい。鑓水が「オナホみたい」と言えばその言葉にすら歓んだ。
鑓水も一日にこれだけセックスをしたのは初めてだ。すっかり疲れてしまって、睡魔が襲ってくる。しかし、さすがに汚れた身体で寝るのは気持ち悪くて、鑓水は波折を風呂に連れ込んだ。
浴室に入ると、ふあ、とあくびがでてきてしまう。身体を洗うのもダルい。さっさと湯船につかってのんびりしたいところだが、汚れた体ではどうにも抵抗がある。あ、そーだ、と鑓水は閃いて、波折にボディソープを渡す。
「波折ー、ソープごっこしよ」
「ソープごっこ?」
「俺の体、洗ってよ。ソープ嬢みたいに」
「……実際にソープ嬢がどうやって男の人の体あらうのか知らないけど……はい、頑張ります」
波折がほんのりと顔を赤らめて笑う。風呂場でもいやらしいことができるのが嬉しいようだ。自分と鑓水にお湯をかけると、手のひらにボディソープを出す。ゆっくりとそれを自分の身体に塗りたくって、泡をたててゆく。
「そこ……もうちょっと泡立てたら?」
「そこ……?」
「乳首のあたり」
「……はい、慧太様……」
にやにやと笑って鑓水は波折が自分の身体を泡立ててゆく様子を眺めていた。波折が泡で隠れた乳首を自らの指でこりこりと刺激する。にゅるにゅるとした感触がたまらないのだろうか、波折は自分で弄っておきながらもじもじと腰をくねらせた。
「慧太様……あわ、ちゃんとたっていますか……?」
「は? 全然だろ。こうやんだよ」
「あっ……ふぁ、あぁあんっ……」
鑓水が波折の指をはらって両方の乳首を根元からぎりぎりと引っ張り上げると、波折は腰が砕けそうになったのか、必死に鑓水に縋り付いて嬌声をあげる。のけぞって、天井を虚ろな目でみあげながらがくがくと身体を震わせた。
解放してやると、波折がくたりと壁に寄りかかってはーはーと荒く呼吸をする。鑓水が「さっさと泡立てろ」と命令すれば、「はい……」と弱々しく返事をして再び乳首を弄りだす。鑓水にされたようにぎゅううっと乳首を引っ張っては崩れ落ちそうになって、それでも必死に堪えてまた乳首をひっぱる。乳首をひっぱりながらぐにぐにと先端を弄り、ガクガクと腰が震えれば勃ちあがったペニスが揺れる。
「あぁああぁ……けいた、さま……もう、だめ……ちくび、ゆるしてください……けいたさま……」
「……は、いいよ、じゃあ。じゃあ次、ケツしっかり泡立てろ。俺にちゃんとみえるように」
「みえる、ように……」
「こうやれっていってんだよ」
「ひゃんッ……!」
ぼんやりとして命令の意味があまりわかっていない波折の乳首を、鑓水は最後に思いっきりつまみ上げてやる。そしてびくっ、と跳ねた波折の肩を掴んで、後ろを向かせた。壁に手をつかせて、ぐいっと腰をひっぱる。自分に向かって腰を突き出すような体勢になった波折の尻をバシンと叩いて、鑓水は耳元で囁いた。
「いい格好だな、会長。ぶち込みたくなるようなケツ、最高だよ」
「ぶちこんで欲しいです……けいたさまぁ……」
「それはあとでだよ。早く俺の言ったとおりにしろ、淫乱」
「はい……ごめんなさい、けいたさま」
波折がそっと自分の尻肉を掴む。そして、大きく揉みしだいた。綺麗な指先が尻肉に食い込み、ぐ、ぐ、といやらしくそれを揉み上げる。尻肉を円を描くように揉めば、そのあいだのアナルが見え隠れした。
「あんっ……慧太さま……」
「もうちょっと力こめろ」
「はい……慧太さまぁ……」
ぎゅうっと波折の手が尻肉を強く掴む。ゆっさゆっさと激しく尻肉を揉むと、波折の全身が揺れた。身体を支える脚ががくがくといっている。尻肉を揉んでよがってんのかよ、と鑓水は鼻で笑ってやった。
「ほら尻肉のあいだは? そのいやらしくひくひくしてるケツの穴どうにかしろ」
「お尻の穴、弄ってもいいんですか……?」
「なかに指いれんなよ。入り口だけ綺麗にしろってつってんの」
「はい……」
鑓水が命令すれば、波折が尻肉を両脇に引っ張って孔をみせてきた。みてください、とでも言っているようだ。鑓水の視線が突き刺さるアナルは、弄ってもいないのにはくはくとひくついている。鑓水に見られているだけで感じているようで、アナルがきゅっと締まったりしては「あんっ……」と小さく喘いでいる。
「お尻の穴……綺麗にします……」
しばらく視姦を堪能したあと、波折はアナルに指を添えて、くぱっと開いた。そして、もう片方の指でいりぐちをくりくりと撫で始める。指の腹でくるくると円を描くように撫でて、そうすればアナルはヒクッ、ヒクッ、といやらしく動いた。
「あんっ……慧太さま……俺のお尻の穴……どうですか……?」
「ド淫乱のケツの穴って感じ。チンコ咥えすぎてほんとオンナになってんね、そこ」
「はい……おれのお尻の穴、おまんこなんです……男の人のおちんぽ大好きな、変態まんこなんです……」
「あははなにそれ、超ウケる! 波折ー、変態まんこもういいよ、そろそろ俺の身体洗ってよ!」
波折の言葉に鑓水がけらけらと笑う。波折はゆっくりと振り向いて、そんな鑓水を見つめた。はあ、と熱っぽい吐息を吐く。自分よりも背の高い、筋肉のついた少し日に焼けた身体。そんな鑓水の身体に惚れ惚れするように波折は頬を赤らめる。そろりと壁から離れると、鑓水に近づいていってぎゅっと抱きついた。
「けいたさま……」
蕩け切った声を出して、波折は身体をゆすり始めた。触れ合った肌が、ボディソープでぬるぬるとこすれ合う。鑓水の筋肉の感触に興奮しているのか、身体をゆさゆさと上下に揺らすいやらしい自分の動きに興奮しているのか……波折は一人で動きながらあんあんと甘い声をあげていた。
「けいたさまのからだ……すき……あぁん……」
「そりゃあ光栄だ」
「けいたさま、けいたさま……」
波折が自分の乳首を鑓水の胸板に押し付けるようにして胸を強くこすり合わせてくる。動くたびに乳首がこりこりと転がって、波折はのけぞりながら身体を揺らした。
「ほんと、ド変態ド淫乱。生徒会長のくせにソープ嬢の真似事して自分で感じてるとか」
「あぁんっ……けいたさまっ……感じてごめんなさい……きもちいい、けいたさまのからだ、きもちいい……」
「そんなに俺の身体好きなの? よかったねー、波折。俺の性奴隷になれて」
「はい……嬉しいです、けいたさまの性奴隷になれて、俺、嬉しいです……けいたさまっ……あんっ、あぁん……」
くねくねと波折が腰をくねらせながら揺れる。鑓水は何もせずに、そんな波折を見下ろした。物欲しそうな顔をして淫らに身体を動かす波折を、早くぐちゃぐちゃにしたいと思いながら。
上半身が十分泡立つと、波折は鑓水をバスチェアーに座らせた。そして、鑓水の片脚に座る。
「けいたさま……脚、洗います……」
「何をつかってー?」
「俺のお尻とおまんこです……」
「あははっ、いいねー」
波折が前後に揺れる。柔らかな尻肉で鑓水の脚を挟むようにして、ゆさゆさと身体を揺すった。
「ふぁ、あぁあ……きもちいい……けいたさまぁ……」
ゆれるたびに、尻肉の間が擦れる。アナルに鑓水の脚をこすりつければ、アナルがきゅんきゅんと疼いて波折は悶えた。睾丸もぐにぐにと刺激されて、波折の下半身ががくがくだ。顔がすっかりとろとろになって、幸せそうに顔を赤らめている。
「ほら、もっと綺麗にしろよ」
「あぁんっ……! はい、けいたさまっ……」
ぐんっ、と脚で波折を突き上げてやると、波折が激しく悶えた。ゆっさ、ゆっさ、としばらく脚を上下に揺らしてやれば、波折は腰が砕けてしまったようで、へたりと鑓水の肩に手をのせてくる。「ごめんなさい、もう、だめぇ……」なんて言いながら波折は揺さぶられていた。
波折がぐったりとしたところで、鑓水は波折の唇を奪う。尻の割れ目に指を這わせてぐりぐりと入り口を責め立ててやれば、波折はひくひくと舌を震わせて涙を流した。鑓水に咥内をされるがままに犯されて、波折は唇から唾液をだらだらと零してしまう。気持ちよすぎてまともに鑓水のキスに応えることができないようだ。
「はぁ……あ……あぁ……」
「ふん……一人で感じてんじゃねえよ、次こっち」
波折の髪の毛をひっぱって、唇を離す。波折が名残惜しそうに濡れた瞳で自分をみつめてきたが、無視してやった。
「しゃぶれ」
鑓水が自分のペニスを軽くもって波折に見せつけると、波折の瞳がぱあっと見開かれる。「はい」と波折は嬉しそうに返事をして、ためらいなく鑓水の股間に顔をうずめた。
「けいたさまのおちんぽ、大好きです」
「そうかよ、じゃあちゃんと味わいな」
「はい……んっ……」
波折がうっとりと目を閉じて鑓水のペニスの先端に吸い付く。ちゅぱちゅぱと美味しそうに亀頭を吸って、綺麗で細い指先で竿を軽く扱く。その表情が本当に幸せそうで、どんだけ人のチンコ好きなんだよ……と鑓水は心のなかで突っ込まざるをえなかった。
「おっきい……けいたさまのおちんぽ……」
「奥までしっかり咥えな」
「んん……」
鑓水が波折の頭を掴んでペニスを口の奥まで挿れてやる。蕩けた波折の顔がよくみえるように、波折の濡れた髪を耳にかけてやった。そうすれば波折の顔がなんとなく色気を増したように見えた。堅くなってゆく鑓水のペニスに歓喜するように、波折の腰がぴくぴくと揺れる。
「生徒会長のフェラ最高だな」
「んっ、んっ……」
軽く波折の頭を揺すってやると、上擦った声が漏れる。口の中を犯されて、気持ちよさそうだ。
しばらく波折のフェラを堪能したあと、鑓水はペニスを波折の口から引き抜いた。つうっとペニスに透明な糸がひいて、波折がそれをまだ足りないといった表情でみつめる。もっとペニスをしゃぶっていたかったのだろうが、鑓水はそろそろ波折の中にぶち込んでやりたかった。
「波折、ここに座れ」
鑓水はお湯の溜まった浴槽に脚を伸ばして座ると、自分の下腹部を指さして命令した。湯船の中で勃ちあがっている鑓水のペニス。波折はそれをみて、はあ、と熱い吐息をこぼす。
「はい……けいたさま……」
波折が浴槽に入る。鑓水に背を向け腰をまたぐと、ゆっくりと腰をおろしていった。
「あ……」
ペニスの先端が波折のアナルに触れる。波折はかくかくと震えながら、ペニスをなかにいざなってゆく。ず、ず……とゆっくりとその猛りは波折のなかに入っていって……
「あぁあ……けいたさまぁ……」
波折が鑓水の上にぺたりと座り込むころには、ペニスは波折の奥の方まで入り込んでいた。
「波折」
「あっ……」
自分の上に波折が座ったことを確認すると、鑓水が波折を抱きすくめる。ぎゅっと腕に力を込めると、全身が密着した。波折は身長が低いほうではないが、華奢なため、鑓水の身体にすっぽりと収まってしまう。鑓水のほどよく筋肉のついた身体に包まれて波折は恍惚とした表情を浮かべていた。
しばらく、動かずにそうして抱きしめてやる。ペニスを挿れられているだけでも興奮するのだろう、波折のなかはきゅうきゅうと鑓水のものを締め付けている。だから、鑓水がじっとしていても気持ちよさそうにはーはーと息をして、くたりと鑓水に身体を預けている。
「あっ、……あんっ……」
鑓水が波折の耳に舌をねじ込んで、くちゅくちゅと音をたてながら犯してゆくと、波折がぴくんと身動ぐ。同時に、波折の大好きな乳首をくりくりと刺激してやった。激しくはしない、そんな静かな愛撫に波折はもうメロメロだ。脚をもじもじと擦り合わせ、うっとりと顔を蕩けさせ、何度も「けいたさま」と唇からこぼす。甘い声とぱしゃぱしゃとした秘めやかな水音が浴室に響き渡り、二人を包む空気は甘やかで淫靡なものになってゆく。
「あぁあ……」
ゆっくりと、鑓水は腰をゆすり始めた。波折がぴくん、ぴくん、と静かに震えて艶声をあげだす。お湯がたぷたぷと揺れて、浴槽から溢れだす。
「波折、気持ちいいか?」
「きもちいい……きもちいいです、けいたさま……」
鑓水の視界には、波折の首筋が入り込んでいた。波折はくったりと自分にもたれかかっているから、鎖骨がくっきりと見えて色っぽい。波折が鳴くたびにこくこくと動く喉仏にくらくらするほどの色気を感じた。
白く、熱でほぐれた柔らかそうな肌。少し吸えば簡単に痕を残せそうだ。
(そういえば……こいつ、明日神藤の家にいくんだっけ)
ぼんやりと、波折に恋心を抱く後輩のことを思い出す。この淫乱にばかみたいに純粋な恋をしている、愚か者。
ふん、と鑓水は嗤って――波折の首筋にキスをした。そして、強く吸い上げる。
「んっ……あぁっ……」
大量に痕を残してやろう……そう思って、鑓水はほくそ笑む。沙良がみたらどう思うだろうかと考えると、面白くて仕方ない。――あの苦労を知らなそうなアホ面をみていると、苛々してくるんだ。
「はあッ……あっ……あぁあっ……いくっ……あぁんっ、いくっ、いくっ……」
波折の首に、大量の花弁が散る。自分が抱いた証。波折が自分に身体を許した証。鑓水の興奮も増していき、腰の動きは早まってゆく。水面はばしゃばしゃと飛沫をあげ、大量に浴槽から溢れだし、浴室には激しい息遣いと水音が充満する。
「――ッ」
最後に、ぐ、と強く噛み付いて――鑓水は達した。波折の中に、思い切り精を放ってやった。
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