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「……先輩は、ローションプレイやったことあるんですか?」
「うん。ぬるぬるしてすごくいやらしい気分になれるよ」
「……じゃあ、今日は俺とめっちゃいやらしいことしましょう」
「でも沙良、ローションってちょっとお湯で薄めて使ったりしない?」
「そうなんですか?」
「ううん、そのままでも使えるけど……これでやったらすっごくぬるぬるするね。楽しそう」
そういえばAVなんかではすごい量のローションを使っている。あれは薄めていたのか……と沙良は自分の知識不足にため息をつく。……そして、波折がローションプレイをやったことがあるというのにカチンときた。あらかた「ご主人様」とやっているのだろう。
「……がんばって先輩のこと、すっごく気持ちよくしますからね」
「ご主人様」なんかに負けてたまるか。沙良の闘志に、火がつく。
ベッドに、大きめのバスタオルを敷く。二人で服を脱いで、その上に座った。
「……」
波折を思い切り気持ちよくしてあげたい……というやる気にあふれてはいる。しかし、いざローションプレイをやるとなるとどうしたらいいんだろう。沙良はボトルを握りしめたまま波折の裸体をじっとみつめ……
「んっ……つめたっ……」
とりあえず、波折にローションをかけてゆく。波折の鎖骨のあたりにボトルの口をあて、ぎゅっと握りしめる。そうすると、思った以上に粘質の液体が、どぼっと溢れてきた。液体はつるつると波折の身体をすべっていき、肌を濡らしてゆく。沙良はそんな滑り落ちるローションをすくいとって、波折の胸にぬるぬると塗りつけてみた。
「ひゃっ……」
ひく、ひく、と波折が震えた。触ってみてわかったが、本当にローションは冷たい。これは波折がちょっとかわいそうかな、と思って、広げたローションを温めるように、沙良はくるくると執拗に胸を撫でてやった。お湯で薄めていないローションは、ぬるぬるというよりもねばねばだ。糸をひきながら、沙良の手にもまとわりついてくる。
「んっ……」
波折を、押し倒す。そうしてみれば、天井のライトが波折の身体を照らし、ローションがてらてらと光った。ぬるぬるとしたローションがべっとりとついた波折の胸。思った以上に……いやらしい。
「……先輩……やらしい」
波折にローションをどばどばとかけてゆく。やはり冷たいのか、波折はしきりにひく、ひく、とみじろいでいた。さっと手を滑らせて全身にローションをのばしていけば、次第にローションは波折の体温で温まっていって、とろみを増してゆく。身体全体がてらてらと光っている波折は酷く卑猥で、沙良のなかの戸惑いも消えてゆく。ローションプレイのやり方がわからない、だからなんだ。波折をとろっとろにしてやりたい。
「先輩。俺にもローションつけて」
「うん……」
「先輩の身体使ってね」
「……うん」
沙良が笑うと、波折は期待に満ちた瞳ではにかんだ。起き上がり沙良の膝の上に乗ると、ぎゅっと抱きつく。そして、ぬるぬるになった身体をこすりつけるように、上下に動いた。
「んっ、んっ」
「えろっ……波折先輩……」
ぬるっ、ぬるっ、と身体がこすれる度にローションの感触が伝わってくる。波折の下腹部まで濡らすローションが、波折のお尻が沙良のふとももに当たるたびにぱちゅぱちゅと音をたてている。波折は脚を沙良の腰にまわし、全身を密着させて、必死にローションを沙良の身体に塗りつけた。
「あんっ、あんっ」
目の前で、恍惚をした表情を浮かべる波折がぴょんぴょんと跳ねている。たまらなく興奮する。ぬるぬるとした感触が気持ちいいのか波折ははあ、はあ、と息を荒げながら沙良に身体を擦りつけてきて、すでにペニスも勃ちあがっていた。ローションなのか先走りなのかわからないぬるぬるで下腹部もびっちょり。まだ始まって間もないというのに、二人は全身どろどろになっていた。
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