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Ending

*** 「校庭の桜の木もなかなかにっくいねー」 「憎い?」 「こんな日にひらひら花びら舞っちゃってさ。これぞ卒業式みたいな雰囲気だすのやめて欲しいわー。さみしくなる」 ――卒業式の朝は、騒がしくてどこかさみしげな雰囲気が教室に漂っている。机の脇に花束の入った紙袋がぶら下がっていたり、卒業生に渡すお手製のアルバムをチェックしていたり。そんななか、いつものようにだらだらとした調子でいる結月はにやけ面で沙良に話しかけた。結局学校をやめなかった結月とは、二年になっても同じクラスになってこうして一緒にいる。 「沙良ちゃんは愛しの生徒会長が卒業しちゃうから寂しいんじゃない?」 「……まあ、寂しいといえば寂しいけど」 「……あんまり寂しそうじゃないね?」 「いや会長には生徒会でお世話になったけど卒業するからって泣いたりしないよ、女子じゃないんだから」 「ふーん」  結月がじっと沙良の顔を覗き込む。周りでさみしげにしている女子たちと沙良を見比べては、つまらなそうにため息をついた。 「会長っていうか……今は会長は沙良ちゃんだけどね。緊張する? 送辞、沙良ちゃんがするんでしょ」 「原稿あるしそんなに緊張はしないかな」 「ほー! 俺だったら絶対ガッチガチになるな!」  雑談をしていれば、先生が教室にはいってきた。生徒たちが残念そうにしながらも自分の席に戻れば、先生が式について話し始めた。沙良はぼーっとそれを聞きながら、窓の外の桜を見つめる。  はらはらと、花びらが散る。

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