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第9話

……………………………… しばらく歩くと冬馬さんが立ち止まる 朱「……?………………冬馬さん?」 冬「ねぇ……君………………やっぱり僕と付き合わない?」 朱「……………………………………」 その申し出はとても嬉しい…… だけど………………………… 朱「ダメだよ……冬馬さん………… …………体で始まった関係なんて………… ………………すぐ終わる…………………………」 冬「…………っ!!でも!僕は!!!」 彼は切なそうに叫ぶ………… どうしたんだろう…………なんでそんな必死に…………? 冬「…………っ………………じゃあ、君の名前だけでも教えて?」 そう言われて、本当は教えたくない俺の名前を教える……………… なぜだか分からないけど彼ならいいと思ってしまった……………… 朱「………………朱雨、藤原朱雨………………」 冬「藤原くんね…………わかった」 俺の名前を聞くと彼はゆっくりと歩き始める……………… 冬「……藤原くん、家どこ? 送るよ………………」 朱「え、いや、悪いよ………………」 冬「いいから、もう君と会うこともないだろうし 送るくらいさせて?」 そういう彼にはぁ……とため息をつく………… まぁ…………最後だし……………… そう思い、今進んでいる反対方向へ歩き始める 彼はキョトンとした顔をしてこっちを見る 冬「………………え?」 朱「え?なに?家まで送ってくれるんでしょ??」 冬「え、あ、いいの??」 朱「ダメって言っても来るでしょ??」 そんなことを今更聞いてくる彼を見つめる 早く……という意味も込めて、 睨んで袖をクイクイと引っ張り歩くように促す 朱「俺、これから学校だから早くして?」 冬「………………うん!!」 そういう俺に心底嬉しそうな顔をして冬馬さんがうなづく……………… なんか…………大型犬みたい…………

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