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第81話
「………………明瑠?」
切なそうに話しかけてきた声は従兄弟である明瑠の声だった
元気一杯の明るい彼しか見た事ない俺は、こんなに弱った声を出しているのが明瑠だなんて信じられなかった
だが、聞こえてきた話は明瑠しか知りえない情報で………………
胸がツキン……と痛みを訴える
ぽつりぽつりと話す内容は、俺の封じたい過去から俺の知らない今の朱雨の姿まで様々だった
どうして朱雨と明瑠がそんなことになったのか
どうしてお前が朱雨を騙したのか
聞きたい疑問が沢山出てきて、聞きたくて、聞きたくて………………
こんな場所にいる場合じゃねぇ!と強く思った
ガンガン!と暗い部屋の床を叩いているとじょじょにひび割れてくる
もう少し……もう少しで、目が覚める…………
だから…………まってろ、明瑠……朱雨!!
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