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第3話

大流 side 神室が新しい執事を紹介すると言って部屋を出て行ってから、数分。 今日の神室はいい匂いがすると、父さんに話した。 正確には、神室についた匂い。 父さんは気のせいだろうと笑ったが、俺には気になって仕方がなかった。 もしかして、ずっと、ずっと待ち望んだ運命の番の匂いなんじゃないか。俺は本能的にそう感じていた。 ___コンコンッ 「大地様、今日からここで働く執事を連れて参りました。」 父さんが、入るように促すと神室に連れられて若い執事が緊張した面持ちで入ってきた。 神室が、俺たちのことを紹介している間俺は雲母と名乗った男から目を離せなかった。 この人だ。この人が俺の運命の番だ。そう心が叫んだ。 俺が、近づこうとしたその時雲母は突然苦しみだした。 その異変に一番に気づいたのは母さんだった。 「神室!この人の第2性は?!」 「βと聞いております!ですがこれは、ヒート…!」 「おそらく後天性のΩよ!大流!あなたはこの部屋から出なさい!番のいないαにΩのヒートは危険すぎる!」 「いやだ、その人は俺の運命の人だ。だったら番にしても構わないだろう?」 「今はダメよ!あなた!大流を連れて外に出て!」 「あ、あぁ、大流!来るんだ。」 呆気にとられた父さんは、母さんに言われて俺の腕を掴んで部屋を出た。 あぁ…、やっと出会えた。 俺の、 _______俺のΩ。

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