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第200話 積極的な榛名②
「はっ……んぐ、んぅ……っ」
古びたホテルの一室に、くぐもった声とヂュプヂュプと汚い水音がしきりに響いている。
榛名は目の前にある見慣れた愛しい肉棒を自分の舌と口で丁寧に舐めしゃぶり、可愛がりたいと思っているのだが、同時に与えられる自分への刺激にどうにもそれができないでいた。
「まことさ、ちょっとまって……!」
「待たないよ。どうした?」
「ひあぁっ! あ、そこ、舐めるのダメっ……! ふうぅっ」
「暁哉、口がお留守になっているよ」
霧咲も自身を舐められてきもちいいはずなのに、経験の差なのか余裕の差なのか、先ほどから榛名ばかりが霧咲のいいようにされていた。
自身を手や口でしごかれつつ、時々玉を口内でねぶられ、同時に後孔には指を差し込まれてイイトコロをトントンされたり、挙句舌までナカに突っ込まれ慣らされるという――。
「き、もちよすぎて舐められな……あっ、あっそこっ、や、舌入れないでぇ……っ」
「今日はあまり時間がないからね、指で慣らすよりも気持ちいいだろう?」
霧咲が話すたびに息がかかって気持ちいいし、ソコを舐められると同時に唾液を送り込まれるので、ジュポジュポといやらしい音が響いて脳が刺激される。
「だからきもちよすぎるっ……! まだイキたくないのに、あっ、ああーっ……」
「ほら、イキたくないならきみも頑張って」
「うう……っ」
榛名は自身が勝手にイかないように片手で根本をぐっと握り込み、霧咲の肉棒への愛撫を再開した。とはいえ歯を立ててしまうといけないから、舌で竿をぺろぺろ舐めたり、先端を口に含んで軽く吸いついたりと、その程度だ。
そんな頼りない刺激でも、霧咲にはじゅうぶん興奮材料になりえるのだが――彼は榛名の痴態を見ているだけでも満足なのだ――なんとか霧咲を気持ちよくさせようと努力する姿がいじましくて、ますます可愛がってしまう。
「ああっ、も、ダメぇ……っ!」
「自分でイかないようにしてるくせに腰が揺れてるよ? 暁哉。ココも俺の舌を誘い込むようにパクパクしてて、すごくいやらしいな……」
言いながら霧咲はべろん、と舌全体で榛名の後孔を舐めあげた。ぶるっと榛名の尻が震え、
耐えられなくなった榛名が叫ぶように言った。
「ああっダメ、言わないで、も、入れてぇ……っ!」
「ふふ、いいよ。俺もさっきから君のナカに入りたくて仕方ないんだ」
いつになく素直な霧咲の言葉に、榛名は少し驚いた。そしてそのまま正常位で組み敷かれそうになるところを、ストップをかけた。
「ん? どうしたの」
「あの……俺が、上になりたい、です」
今度は榛名の言葉に霧咲が驚いた。頼んで乗ってもらったことはあるものの、自分から進んで上に乗りたいと言いだしたのは初めてだったからだ。
「驚いた。今日のきみは本当に積極的なんだね」
「ん……こんな俺は嫌い、ですか?」
「そんなわけないだろう。ただ俺が言いたいだけだよ」
「じゃあ、黙っててください」
「はいはい」
榛名は潤んだ目付きで霧咲を一睨みしたあと、自前のコンドームを取り出して慣れた手つきで霧咲自身にくるくると被せた。
そして備え付けのローションを手に取り――霧咲には『使う必要ないくらい慣らしたけど』と言われたが――後孔と霧咲のモノにたっぷりと塗りつける。
「ん……っ」
熱くて硬い肉棒を自身の入り口に宛てがい、ゆっくりと腰を下ろした。
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