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空雅の場合/17

八尋side 「清澄さん」 「醒井さん」 「すいません。話しさせてもらって。」 「いえ…空雅は落ち着きましたか?」 「えぇ。空雅のことよろしくお願いします。ねぇ。清澄さん」 「はい」 「空雅のことただのセフレと思ってはいないですよね?」 「あなたの口からその言葉が出るとは…幻滅しましたか?本当の私たちの関係を知って」 「いえ。驚きはしましたが…。空雅をそばで支えてくれてありがとうございます。 空雅は本来はそういう相手を作るような子ではありませんでした。空雅は昔から一途で真っ直ぐで…純粋で…だから…空雅を今の姿にしたのは俺です…俺は本当に最低な奴でした。少しだけ俺の話し聞いてくれますか?」 醒井さんから語られた真実は空ちゃんからは聞かなかったこと。 「却って幻滅されたのでは?」 「いいえ…貴方が…そんな…」 「そして今眠っている路夏をこうしたのも俺の交際相手だった人です。俺は本当にバカでした。何も知らずただへらへらと笑いながら生きていた…結果誰も守ることができなかった…空雅もとても傷付いた…それからです…空雅が今みたいになってしまったのは…俺は空雅のすることを止めなかった…そうしてここまで…でもね。ここ2年くらい貴方の名前だけはよく聞いてたんです。他の相手にたいしては名前なんて覚えてもいないのに」 「それは…私がどこかあなたに似ていたからでしょう」 「切っ掛けはそうだったかもしれない。でもきっと空雅はどこかで貴方を求めているはずなんです…空雅があなたのことを話すときはとても柔らかい顔で笑っていたから…」 「空ちゃん…」 「空雅は恋愛というものから離れて随分経った…おそらく怖いんじゃないかと…面倒だなんてきっと空雅なりの強がりだと…空雅はとても繊細な子です…他でもない貴方だからこれからもずっと空雅を支えてほしい…貴方は空雅のことどう思っていますか?」 「俺は…空ちゃんと初めて会ったときからずっと…心を捕らわれています。本当はセフレなんかじゃ嫌だ…」 「だったら…お願いします…空雅を…」 「今この想いを伝えてしまえば空ちゃんは逃げていってしまう…俺は明日から海外出張なんです…もうしばらく…このままで…空ちゃんに逃げていかれたくないから…空ちゃんのタイミングを待ちます」 「…わかりました…すいません…勝手なことばかり…」 「いいえ。」 「それにしても…普段は“俺”って言うんですね。空雅のこと空ちゃんって」 「すいません!気を抜いてた…」 「いいえ。俺も素が出ちゃってたんでお互い様です。それに今日はプライベートですし。これからも友人として接していただきたい。貴方とはこれからも色々な話をしたい。仕事だけじゃなくて…わがまま…ですよね?」 「いいえ。光栄です。俺でよければよろしくお願いします」 「はい」 プライベート用の連絡先を交換して一緒に戻る。 智輝くんの言うように空ちゃんが俺の事を求めてくれていると嬉しい…でも…俺は知ってる…俺じゃなく他に適した人がいること… 空ちゃんは気がついていないけれど…俺は見たことがあるんだ…幸せそうに笑ってた空ちゃんの姿

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