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第6話

それを心配した親衛隊員たちは、書記さまと俺を引き合わす為の作戦を決行。 先ずは新入生歓迎式の時に目撃された位置からクラスを特定。教えて貰った犬の特徴を元にめぼしい生徒(平凡)をピックアップ。 隠し撮りした写真を書記さまに見て頂き、捜索対象が俺である事を確認。 次に隊員の一人が俺と接触。 警戒心を解くため、好みのマンガやゲームを貸し苦手な勉強を教え、さらには餌付けなどを繰り返してゆっくりと信頼関係を築きあげたのだった。 餌付けって、おい。 隊長さんに名前を呼ばれ近くまで寄って来た例の親衛隊の子と、自称その友人だと言ってた隊員さん達。 「ごめんなさい」と謝罪されても、俺マジで仲良いつもりだったから結構ショックなんですけど。 あーでもやっぱ今改めて見ると本当に女の子みたいで可愛いや。その潤んだ瞳の上目遣い、最高っス。 慰謝料代わりに一枚くらい写真を撮らせて貰ったりとかしても大丈夫かなぁ。 「わんわん駄目、俺の!」 「は? うわっ!?」 ベンチに座り直しての会話中、突然横から書記さまに抱きつかれた。 ちょっ、だから力強すぎで痛いってば。隊長さんも溜め息吐く暇あったら助けてぇぇえ! 「書記さま、彼が痛がってます。そろそろ加減というものを覚えてくださいね。それと、ご自分の親衛隊員を睨まないように。子供じみた男の嫉妬は見苦しいだけですよ」 「わんわん、ごめ……でも嫌、アイツ見るの駄目。わんわん、俺だけ見て」 「痛っ」 無理矢理グイッと首を横向きにさせられ、書記さまのどアップが視界を埋める。 あ。 まさに息を呑むほど、ってやつだよね。すんごい綺麗な瞳。さっきは気付かなかったけど書記さまはハーフなのかな、真っ黒じゃなくて……藍? 深い緑? そんなちょっと普通とは違う色をしている。光の加減で変化するのかな。 思わず首の痛みも忘れ見入っていたら。 ──チュッ ん? ──チュッ チュッ すりすりすり 「わんわん、可愛い、大好き!」 瞳を輝かせ、これ以上無いほど幸せそうに微笑む書記さま。 ア然とする親衛隊と固まる俺。 .

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