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第11話 ~発情期だよ困った編~

これって、これってもしかしなくてもエッチな気分になっちゃってる~?! このままでは兄貴がダメになる!! つーか、その辺の男が引っ掛かり捲ってしまう!!! そうなると体を奪われて泣いている兄の姿が想像出来てしまった。 そんな危機を感じた慎は真生に向き直ると、その華奢な肩をグッと掴んだ。 「兄貴!」 「?…なぁにぃ~?」 半べそでコテンと困った顔をして首を傾げる。 我が兄ながら、あざとい。 あざとすぎる…!! 慎は盛大に溜め息を内心で吐きつつも、気持ちを立て直す。 「あ~、その~、兄貴はさ…蒼真が好きなの?」 戸惑いながら訊くと、真生がヘラリと笑って頷いた。 「好きだよ~。なんか蒼真くんの顔見たいし、ギュッてしたいし、一緒に居たいかも~」 「…えっと~それって、どんな好き?」 「どんな?…分かんない。けど、見てたらなんかダメになりそう…ううっ、なんかダメになるうぅ~慎~」 発情期突入の真生が慎へ訴えてくる。 「ひぃぃぃ~!!分かった!今日の夜、兄貴の為に蒼真呼んでやるから!!頼むからここでやめてくれぇ~!!」 大きな声が出せないが気持ち的には叫びながら、真生を引き剥がして「もう家に帰るぞ!!」と引っ張り起こす。 剣道で汗を流す蒼真に「また連絡する!!」と叫ぶと真生を連れてその場を後にした。

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