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熱い。
体が熱く蕩けていく。
自分を構成するものは、何だったろうか。
リカルドが中をゆるりと突き上げる度、アルフリートを作る全てが変化していくような気がする。
「あっ、…ああ…っ!」
声も血も、涙も、全部が甘い何かに変化していくような…。
「アル…舌、出して」
「んぅ…っ」
差し出した舌。
其れをリカルドがやわやわと唇で食む。
「んっ、んぅ…」
中を突き上げられ、舌を吸い上げられて。
全部を奪い取られる感覚は、ただならぬ歓喜をアルフリートにもたらした。
「あっ、あっ、あ…っ。好き…、大好き…っ」
「アル…」
気がついた時には、リカルドに恋をしていた。
想いを隠して王都へ上った。
村常駐の医師を目指していたのに、適正が低いからと文官に成らざるをえなかった。
アンブローシャを亡くし、自分の無力さをまざまざと思い知ったところに、住まいを探していたリカルド親子と広い家に引っ越した。
それからは、母親代わりとして三人で暮らして…。
その日々だけでも夢のようだと思っていた。
リカルドが再婚したら、きっと終わりを迎えてしまう。
その日が来なければいい、少しでも先へ延びてくれたらいいのにと願いながら過ごしてきた日々。
なのに。
いま、愛しいリカルドの熱を身に受けている。
これは、本当に現実なのか…?
「あぁ…っ、あ…っ!」
中の襞が楔をキュウッと締め付けて、下腹で渦巻く熱がせり上がる。
「ずうっと、いっしょ…?
僕は、あなたとアレクの傍にいて、いいの…?」
「ああ。ずっと…一緒だ」
「……っ」
一気に視界が白く塗りつぶされていく。
過ぎる快楽にガクガクと揺れる体を押さえ込み、リカルドが最奥へと熱を注いでくるのを感じながら、アルフリートの意識はふつりと途切れた。
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