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プロローグ

少年はその場に呆然と立ち尽くした。 その手から鉛筆が落ちて転がっていく。 口はだらしなく開かれたまま。 少年は衝撃を受けた。 彼は絵が上手かった。 それなのに、彼は描けなかった。 目の前のキャンパスは、 純白を表す真っ白なまま。 少年は描けなかった。 書くことができなかった。 「……無理だ」 少年は絵で初めて諦めた。 彼には描くことができなかった。 【家族】という絵が 彼には描くことができなかった。 6歳の少年は、 その年齢で2度目の挫折を味わった。

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