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支配者
「私はキミのその『強気』なところが好きだよ。キミは、どんなに私に凌辱されても絶対に弱音は吐かないだろ。だから好きなんだ。キミは、私の一番のお気に入りだ。分かるだろ、だからもっと楽しませてくれ」
「ふざけんな、俺はテメェの人形じゃねぇ!」
「キミは人形だよ。ほら、大人しくしないとこのナイフで喉元を切り裂いてあげるよ? 喋れなくなったらキミも困るだろ?」
「っ……!?」
あいつはそう言って俺の首元に、平気でナイフを突きつけて来た。
イカれてる……!
やっぱりこいつはイカれてやがる……!
「一層、喋れないお人形のほうが可愛いかな? でも、キミが喋れなくなったら。私はとても退屈してしまう。それに話し相手が欲しい。誰だって一人は寂しい。動物はね、構ってあげないと死んじゃうんだ。人の『愛情』と言うものに、飢えているからね。でも、それは人間だって同じ事だ。ただ温もりと愛情が欲しいんだ。誰かに『愛されてる』って思える愛情が欲しいと思うのは全ての生きものに共通してる事なのかもしれないね?」
「ってめぇ……! クソっ、離せっ……!!」
悠真は頭の髪の毛を掴まれると、苦しそうに抵抗した。だが、男は右手のナイフを彼の首元に突きつけながら淡々と傍で話した。
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