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失踪
「ねぇ。宮下君、大学来てないって本当? どうしたんだろうね、いつもならちゃんと来てるのに――」
長い茶髪の女子大生は悠真の知り合いだった。他にも眼鏡をかけた真面目な男子大生と、片耳に黒いピアスをした男子大生と、遊んでそうな男子大生がいた。彼らは1つのテーブルの席で悠真の話をしていた。
「あいつ、一週間も家に戻ってないんだってさ。きっと家出じゃね? あいつ結構遊んでるの多いしそのウチ家に戻ってくるタイプかもな。なのに周りは心配し過ぎなんだよ。つっーかさ、過保護って言うかさぁー。この前なんか俺の携帯によ、あいつのアニキから電話がかかってきたんだぜ」
前髪を伸ばして黒髪に赤のメッシュが混ざった男子大生は、アクセサリーをジャラジャラと身に着けていた。そして服装もオシャレだった。いかにも遊んでそうな感じの男子大生は、周りにそう言って話した。
「『悠真がどこにいるか知ってるか?』だってさ。そんなの知らねーよって答えたら『ホントか?』だってよ。俺、あいつとは只の遊び仲間なのに。しかもそんなに親しくない方なのによ。何で俺があいつがどこにいるかを知らなきゃ、なんねーんだよ?」
彼は迷惑そうにそうに話すと、アクセサリーをジャラジャラさせながら自分のスマホを弄った。
「龍騎の方にもか? 俺の所にも悠真の兄貴から電話がきた。だから知らないって答えた。それに俺はあいつとはそんなに親しくないしな。どちらかと言うと真樹の方が親しいんじゃないか?」
短髪で黒髪の眼鏡をかけた真面目な男子大生は不意に彼らにそう言って話すと、掛けていた眼鏡を指先でクイッと上げて本をパラパラと読んだ。その話に周りは共感した。
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