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終わらない悪夢

 目を覚ますとふと呟いた。 「またこれか……」  見馴れた天井がまた視界に入った。そこで目を覚ますと同時に、首筋に痛みが走った。 「っ……! くそっ、あの野郎……!」 首筋の痛みでさっきの出来事を思い出した。首にスタンガンを押し当てられて気絶した事を思い出すと無性に腹がたってきた。そして、思わず体をベッドから起き上がらそうとした時、両手の異変に気がついた。 「ッ……!?」  両手には手錠が嵌められていた。そして、その手錠はパイプベッドの柱に繋がれていた。両手を真上にあげられた状態で暴れると、激しく怒りに燃えた。 「くそっ、あの野郎よくも…――! テメェ隠れてないで出て来い、聞こえてるんだろ!?」 悠真は部屋の中で大きな声を出すと、仮面の男に話しかけた。だが、彼からは一つも返事が返って来なかった。それ所か、完全に放置状態にされていた。 「っ、嘘だろ……!?」  自分が両手を手錠で拘束されたまま放置状態にされていることに気がつくと、ただならぬ緊張感と冷汗が顔から滲み出た。 「マ、マジかよ……!? まさかこのままアイツ、人のこと放置する気か…――? ふざけるなよあの変態野郎!」  状況を理解すると頭の真上に上げられた両手の手錠をガシャガシャと音をたてて力付くで外そうとした。 「クソッ! よくも俺をこんな目にしやがって、クソッタレ! ちくしょう、外れろ!」 力いっぱい外そうとしてもびくともしなかった。それどころ暴れたから体力を激しく消耗した。 『ちくしょうっつ!!』  悠真は両手を手錠で拘束されたおかげで体力を激しく消耗した。そして、ナギが戻って来ないと悟ると今度は不安になってきた。 「っ、あの変態仮面野郎……! まさかこのまま、戻ってこないつもりかよ? 俺をこんな目に遭わせて一体どこに行きやがった…――!?」 「クソッ……!!」  仮面の男が自分を拘束して放置したまま、どこかに消えたことに焦った。そして、部屋の静けさがさらに彼の心を煽り続けた。  

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