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―彼女―
自分で自分を変えないから、他人に暗い奴と思われても仕方がない。そうしているのは自分だと自覚している。
こんなんだから、きっと『恋』なんて自分には無理だと思っていた。なのにどうして一体、彼にそんな事を今言われなきゃならいの――?
私の顔を見ながらいきなり『暗い』と言われて悔しくなった。でも、その怒りも直ぐに消えた。それよりも、驚く事が起きた。
クラスの女子達に人気の男子、『悠真』君が唐突に私に話しかけてきたのだ。彼は格好良くて、女子なら誰もが憧れを抱くような男の子だった。
近くで隣の席なのに、彼とは余り話さなかったけど、私はそんな彼の事が前からちょっとだけ気になっていた。だから見てるだけで満足だった。
その彼から話しかけられた私は、顔を真っ赤にして無言で席を立った。そして、そのまま走って教室から飛び出した。
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