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翻弄されるエガワくん⑩

 裕紀が簡単に身体を拭うが、全裸のまま一起はベッドで脱力していた。  裕紀は下着とスウェットを穿いて火照った身体を缶ビールで冷やし、タバコを咥えてベッドの下に座り、ベッドの側面に背を預ける。  テレビをつけても外の豪雨の音がまだ大きかった。 「ケツ、痛い……。」 「悪いな、手加減出来なかった。」 「中年のくせに元気ですね。」 「お前が草食系の童貞処女だからな。」 「……俺が肉食系とか、絶対引かれるし…。」 「確かに。」  一起はゴロゴロと裕紀のそばに寄る。すると目の前にあった首筋からの匂いが鼻腔をくすぐる。 「タバコくさい。」 「うるせー。つーか可愛いことしてんじゃねーよ。」  床に置いた灰皿にタバコを潰すと、後ろを振り向き一起にキスをする。一起は突然のキスも驚くことはなく、受け入れた。そして味わった。 「スースーする。」 「メンソール系だからな。」  文句を垂れても、もう一度キスをする。

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