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ツワブキさんのアフターケア①

「おかえりー。」 「おあえりー!」  智裕は現地解散でそのまま電車に乗り歩いて帰宅、かなりヘトヘトになって玄関を開けるとバタバタと可愛らしい駆け足が近づいてきた。 「茉莉ちゃん⁉︎」 「あーい!」 「にーちゃん、かーちゃんが先に風呂入れって。くせーから。」 「もー!まずはお疲れ様とか労いはねーのかよー。」 「くちゃーい!」  茉莉に無邪気に臭いと言われて早速傷心した智裕はトボトボと浴室へ入って行った。  スポーツバッグから汚れたユニフォームや下着を取り出して、乱雑に洗濯機に放り込む。そしてすぐにシャワーで全身の汚れや汗を流して、やっと湯船に浸かった。 「あー……きもちー……。」  一息つけた、とリラックスしていると洗面所から物音がし出した。  どうせ母が洗濯機を回しに来たのだろうと考えていたら、浴室のドアが開いた。 「と……智裕くん……。」  智裕は硬直した。ドアから現われたのは、恥ずかしそうにして、腰にタオルを巻いただけの拓海だった。
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