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白昼のサプライズ⑤
「……ゆ、ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ由比壮亮⁉︎」
智裕はスマホをポトリと落とした。そしてスマホを持っていた手のまま固まって震えた。
「智裕くん!し、しっかりして?」
「どどどどどどどどうしよ、た、拓海さん、ゆ、由比壮亮が、ここここコーチって、あ、会えるの?喋れるの?」
「そ、そうだよ、多分。」
「はぁ……う、うそだ…は、ゴホッゴッ、えっホッ!ゴホッ!」
「智裕くん⁉︎大丈夫⁉︎」
肩を揺すろうとした拓海を智裕は抱き枕のようにギューっと抱きしめた。
「ややややっば…うええぇ…き、緊張する…や、やばいって!いやまじで神様降臨するんだけど!うええぇ…っ!」
「智裕くん…く、くるしい…。」
智裕の緊張と騒ぎで流れっぱなしの動画の会話は2人の耳に入らなかった。
(智裕くん…こういうところはやっぱり可愛いな……。)
『現在内定しています選手の中で、由比さんが1番楽しみでしたりとか期待している選手はいますか?』
『そうですね、どの選手も超高校級の素晴らしい選手ばかりなんですが、あえて挙げるとすれば第四高校の松田智裕選手です。』
『やはり“左の松田” ですか。』
『はい、左でスリークウォーター、決め球のスプリット…ちょっと僕に似てますから興味はあります。もっと改善の余地もありますので、それが出来れば優勝する為のキーマンになると思います。』
『なってもらわんと困ります。トライアウト前ですが、私の中では馬橋学院の松田と第四高校の松田をエース2本柱にする構想が出来上がってるのでね。』
『関本さん、そんな断言して、2人のプレッシャーになりませんか?』
『はんっ!こんなんでプレッシャーやなんや言ってるうちは小物ですよ!ガンガンしばいて心身共に強くなってもらわにゃ昨年の雪辱は果たせません!』
『もー…監督、厳しすぎですよ。』
『由比くん、君もこれくらい厳しくなってもらわんと困るぞ!』
あははははは………
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