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ツワブキさんには遠い世界③

「ぱーぱ!とーと!りょー!」  すぐ横の高い位置から茉莉のはしゃぐ声がする。  隣には宮西が立っていて、宮西に肩車されている茉莉は小さいメガホンを持って智裕に懸命に手を振る。 「ツワブキちゃん、せっかく松田が勝ったんだから、茉莉みてぇに喜んでやりなよ。」 「宮西くん……。」 「ぱぱー!はくちゅー!」 「そうだね、拍手だね。」  拓海は控えめに手を叩いた。  そんな拓海の背中を見届けていたのは。 「石蕗主任、何でスタンドなんですか!ロッカー行って試合直後の選手らに声と写真もらいますよ!」 「わーっとるわ、どアホ。」  郁海は部下に催促されそのまま回れ右をしてスタンド内へと階段をおりていった。 (あんなんでブーブー言うとるくらいやと続かへんか。放っといても、勝手に別れるな。) 「甘えん坊さんには野球選手の嫁は務まらへんわな。」 「え?何か言いました?」 「言っとらん。」

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